担当科目

担当科目は以下の5科目です。

1. コンピュータと教育(1〜4年生選択)

科目名

コンピュータと教育(Computer and Education)

授業概要

教育場面におけるコンピュータの利用について学び,そこから近未来の在り方について考える.近年確立されてきた学習科学(Learning Sciences)という研究分野について,事例とともに紹介する.学習科学は,「人がいかに学ぶかについての理解に基づいて,テクノロジーを使いつつ学習過程を支援する」という,情報工学,教育学,認知心理学にまたがる分野である.学習理論や学習研究の成果に基づいて,学習環境をデザインし,研究してきた教員がその経験を活かし,具体的事例を交えつつ,講義を行う.一方通行の知識伝達型の講義ではなく,自分の学びについて意識化し,考え,話し合う対話型の講義を行い,講義自体で実践しながら,教育場面におけるコンピュータの利用についてその可能性を追求する.

キーワード

学習,教育,知識,記憶,ICT,メタ認知,自己調整学習

到達目標

コンピュータの教育的利用について,歴史とその背後にある学習理論の変遷について理解する.そこから,「コンピュータがいかに学びを支援できるか」という学習者の視点で,コンピュータの教育的利用の今後のあり方について考えることができる.
また同時に,自分の学びについて意識化し,学習の方法,理解の方法など,大学の講義の参加の態度を養うとともに,生涯を通じて必要な,メタ学習(学び方の学び方)について,意識的に学ぶことができる.

教科書・参考書

教科書

鈴木克明・美馬のゆり(編著)『学習設計マニュアル』北大路書房

参考書

美馬のゆり・山内祐平(著)『「未来の学び」をデザインする-空間・活動・共同体-』東京大学出版会
佐伯胖(著)『コンピュータと教育』岩波書店
佐伯胖(著)『新・コンピュータと教育』岩波書店
佐伯胖(著)『「わかる」ということの意味』岩波書店
三宅なほみ・白水始(著)『学習科学とテクノロジ』放送大学教材
アラン・コリンズ(著)『デジタル社会の学びのかたち』北大路書房

2. 情報表現基礎 I(1年生学科必修)

科目名

情報表現基礎 I(Basic Information Expression 1)

授業概要

実社会では,知り得た知識を応用して,感性的な事柄も含めた評価を行い,試行錯誤を通じて魅力あるシステムを完成させている.本授業ではその体験として,解が一つだけではない感性による情報表現を行うための手続きを計算論的思考に基づいて実行し,物理的な実体をもつシステムのプロトタイピングを行う.授業は開発実習を中心に行う形式をとる.本授業は,芸術・デザイン・ヒューマンコンピュータインタラクションにおいて実務経験を有する教員達が授業を設計し教材を作成している.

キーワード

情報表現,プログラミング,プロトタイプ

到達目標

工作とプログラミングを統合した情報表現の成果物を計画立案・実施できる.
提示された主題を的確に解釈し表現できる.
制作した成果物の意図を簡潔に発表して文章作成できる.
学生同士で互いに成果物の評価ができる.

教科書・参考書

教科書

教科書は特に定めない.manaba等で適宜資料を配布する.

3. 認知心理学(2年生学科・コース必修)

科目名

認知心理学(Introduction to Cognitive Psychology)

授業概要

認知心理学で扱う諸問題について解説するとともに,基礎的な研究方法についての講義を行う.実験で得られたデータを分析するために統計法の基礎についても学習する.認知心理学は,人間の認知過程を,目に見える行動の系統だった観察から出発して,科学的に解明しようとする学問であり,人工知能,ロボティクス,脳科学などとも隣接している.また,人間の行為の基礎にある暗黙知を認知心理学的に明らかにすることは,ヒューマンインターフェイスへの応用にもつながる.本講義は,視知覚から,より高次の認知について研究を行っている研究者がチームで実施する.

キーワード

知覚,視覚,リスニング,カテゴリー,知識の表象,学習,行為,コミュニケーション,認知プロセス,ヒューマンインターフェイス,ロボット工学,統計的手法

到達目標

認知心理学の歴史および,認知心理学の基本的な問題について理解する.
実験で得られたデータを分析するための統計法の基礎について理解する.

教科書・参考書

教科書

箱田裕司ほか(著)『認知心理学』有斐閣
山内光哉(著)『心理・教育のための統計法 第3版』サイエンス社

4. 認知心理学演習(2年生学科・コース必修)

科目名

認知心理学演習(Seminars in Cognitive Psychology)

授業概要

認知心理学で扱ういくつかの基本的なトピックスを体験しながら,実験的手法の考え方および観察法などの技法を学ぶ.講義「認知心理学」と対応しながら統計的手法についても学びつつ,演習では実際のデータ分析に適用し,科学的に根拠のある結論を導く方法の習得をめざす.同時に,実験レポートの書き方も習得する.本演習は,視知覚から,より高次の認知について研究を行っている研究者がチームで実施する.

キーワード

認知プロセス,実験手法,観察,測定,データ分析,統計的手法,相互行為分析

到達目標

認知プロセスの記述方法・推定方法の実際を,実験中心に体験的に学ぶ.
実験レポートの書き方を習得する.

教科書・参考書

教科書

特になし

参考書

心理学実験指導会(編)『実験とテスト 心理学の基礎 実習編・解説編』培風館

5. 認知システム通論(大学院選択)

科目名

認知システム通論(Introduction to Cognitive System)

授業概要

認知科学は工学,言語学,心理学などが関係する学際的な領域である.その中でも特に,状況的認知,正統的周辺参加論などの知識や学習に関する研究の流れを理解することは,人工知能やユーザ・インタフェースを研究する上で,またシステム開発をおこなっていく上で大いに役立つ.この授業では,認知科学と情報科学との接点を意識しつつ,その研究内容と研究方法の独自性に焦点をあてる.情報科学,教育学,認知心理学をもとにした研究,開発,実践を行ってきた教員がその経験を活かし,知識,学習を軸に,学習環境デザイン,人工知能研究,ユーザ・インタフェース研究に関する具体的なテーマを扱っていく.また同時に,専門書の読み方,理解の仕方,発表の仕方,参加の仕方など,大学院の講義(ゼミ)の参加の態度を養うとともに,研究成果の具体的な応用について議論する.

キーワード

知識,学習,学習環境デザイン,人工知能,ユーザ・インタフェース,状況的認知

到達目標

認知科学の研究内容と研究方法に関する基礎的な知識と新しい方向性を理解する.
大学院の講義(ゼミ)への参加において,専門書を読み,理解し,発表し,議論することができる.

教科書・参考書

教科書

美馬のゆり・山内祐平(著)『「未来の学び」をデザインする-空間・活動・共同体-』東京大学出版会
Jean Lave, Etienne Wenge(著)『状況に埋め込まれた学習』産業図書
Lucy A. Suchman(著)『プランと状況的行為』産業図書

参考書

井庭崇(著)『クリエイティブ・ラーニング』慶應義塾大学出版会
香川秀太・有元典文・茂呂雄二(編著)『パフォーマンス心理学入門』新曜社
美馬のゆり(編著)冨永敦子・田柳恵美子(著)『未来を創る「プロジェクト学習」のデザイン』公立はこだて未来大学出版会